勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


ガラシャさんか…。


ガラシャさんはどんな気持ちで秀吉に逢ったの?

死ぬことは怖くなかったの?


良君に言ったように私はガラシャさんのように毅然と振る舞えるだろうか…。


愛する人の為に死ぬ覚悟がある?





「ガラシャってなんだよ。」


「ふぇ?」



目の前にちらちらと動く花饅頭。


ぼぅっとした視界が綺麗に晴れて、紅葉さんと花饅頭が目に飛び込んできた。


「花饅頭だ…。」


「腹減ったか?」


「花饅頭食べたい。」


「飯は?」


「饅頭がいい…。」


「で?ガラシャって何?」


「ガラシャさんはガラシャさんだよ。」


私、夢を見てたんだ。

薬を飲んで眠ってたんだよね?


「重家は?重家はどうしたの?」


布団から勢い良く起き上がって、


「危ないだろ!」


ふらついた体を支えきれず、紅葉さんに抱き止められた。


三成とは違う甘い香が焚きしめられた紅葉さんの着物。


クラクラの頭が香を吸い込んで更にクラクラと酔わされる気がした。







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