勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「それに紅葉を見つめていたではないか。」
「あれは見つめていたのではなくて、憎ったらしい紅葉さんを睨んでいたんです。
私が浮かれすぎてて気持ちをくみ取れなかったこともあなたを不愉快にさせたことも謝ります。
それに紅葉さんの事で誤解を招いたのは申し訳なく思っています。
ごめんなさい。」
だけどあなたが妬いてくれて嬉しかったと最後に付け足すと、
コホンと咳払いをする三成。
表情も柔らかくなってる。
「紫衣が元気になってよかった。」
「はい――。」
三成は私の頬に手を伸ばし、そっと触れた。
「ずっと待っていたのだよ。
皆も俺も――。
紫衣が普段通りに過ごせる日を、待っていたのだ。」
優しい眼差しで私を見つめる三成。
重家を産んでからちょっぴり体力が落ちていた私。
三成らの時代ではお産は命懸けの女の仕事だ。
私の時代のように専門の病院で設備が整っての出産とは違う。
だからお産で命を落とした人も少なくはないのだろう。
「心配かけてごめんなさい。」
辛いと思った軟禁生活も私を思ってくれるみんなの愛情――。
そして、今――。
「みんなとっても楽しそうです。」
「皆、嬉しいのだ。」
本当に私は大切にされていると感じることが出来る。
膳を囲んでみんなが楽しそうに話しながら食事を進める姿を見ながら私は三成の腕に絡みついた。
「あなたは私の自慢の旦那様です。
重家の自慢のパパです。ずっと何があっても離れません。
覚悟して下さいね。」