勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
三成の体温を側に感じながら、隣には小さな宝物の重家のふくふくとした可愛い寝姿が見える。
「あなたと重家と私、家族で外の空気を吸えるなんて幸せです。」
重家の小さな手を握りながら三成に話しかけた。
「紫衣が元気になったのだ。
これからはいつでも三人で庭に出ることが出来るな。」
三成も重家を愛おしそうに見つめながら話した。
三成は本当に重家を愛おしそうに見つめる。
その細められた瞳で重家に向けられるあたたかく優しい眼差しにほんの少し嫉妬してしまい、恥ずかしくなった。
「どうした?」
俯く私の顔を覗き込む三成。
重家に嫉妬したなんて恥ずかしくて言えない。
「いえ、なにも…。」
「疲れたのか?無理をしてはいけない。」
肩を抱き寄せられ、体ごとすっぽりと三成のぬくもりに包まれた。
「部屋に戻ろう。」
耳元で囁かれる三成の言葉。
「え?」
違う…。
違うの。
そうじゃない。
三成の着物をギュッと握りしめて首を横に振った。