勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
私の肩に手を置いて体を引き剥がし不思議そうに見つめる三成。
正直に言わなきゃ…。
だけど重家に嫉妬したなんて恥ずかしいこと口にするなんて、
「無理です。」
「どうしたのだ?」
三成の視線から逃れるように俯いて首を横に振る私に困惑する三成。
申し訳なさが心の中に溢れ出す。
「部屋には帰りたくありません。
ここであなたと、みんなと…まだ一緒にいたい。」
罪悪感に苛まれながらも自分の心に正直にはなれない私。
母親なのに我が子に嫉妬するなんて、三成はなんと思うだろう。
怒る?
呆れる?
母親失格だよね。
そんな風に思って余計に言えなかった。
「では、気分が悪くなったらすぐに俺に言うのだよ。」
だけど、こんな私を優しく包んでくれる三成に、
「ごめんなさい。」
頬を涙が滑り落ちた。
「紫衣、言わなければわからないことがあるのだよ。」
私の涙を指で拭って話しかける三成に私は頷いて言葉を落とした。
自分の気持ちを正直に彼に伝えるために、醜い私を彼に咎められても、それも私だと伝えなきゃいけないって思ったんだ。
「私は母親失格なんです。」