勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
重い空気と沈黙。
よくよく考えると私が意固地になっていただけで紅葉さんはちっとも悪くないのに…。
喧嘩を売ったと言われてもて仕方がない言葉を言ったのは私なんだ。
そう思ったら我慢していた涙が溢れ出した。
「私が悪い…紅葉さんはちっとも悪くない!」
嗚咽混じりに伝える私を驚いた表情で見つめる紅葉さん。
「本当にごめんなさい。」
ポロポロと零れ落ちる涙を着物の袖でぐいっと拭って紅葉さんに謝った。
だけど聞こえてきたのは紅葉さんのため息で、
「俺が苛めてるみたいじゃないか。」
弱々しく言葉を落とした。
「苛めてるのは否定はできないだろう?」
言葉を失った私と紅葉さんの間に入るように掛けられた三成の言葉に顔を上げると彼はそっと私の頬に触れた。
「殿まで勘弁して下さい。」
三成の言葉に更にうなだれる紅葉さん。
きっと三成は重い空気をなんとかしたくて話に割って入ってくれたんだと思った私は三成を見つめて口を開いた。
「紅葉さんは私を苛めるのが趣味みたいな人ですから…。」