勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
紅葉さんが私の挑発にのってくれたらと願いながら落とした言葉。
今の紅葉さんにはきついかな?
三成の前で言うべきじゃなかったかな?
ドキドキと心臓がうるさく動き回る。
「よくわかってるじゃないか、阿呆紫衣。」
少し照れ笑いを浮かべながら紅葉さんは私の期待通りの言葉を口にした。
「でしょ?」
私も微笑みながら紅葉さんに言葉をかけた。
「紫衣が元気になるのをみんな待ってたんだ。
殿と二人仲睦まじい姿をみんなが見たかったんだ。」
今日はそれが見れると思ってたのにウジウジしてるしって不満げに言葉を紡ぐ紅葉さんに本当に申し訳ない気持ちになった。
ずっとみんなに心配かけてきて、それなのに私は今を楽しむどころか自分を責めることばかりに気を取られていた。
自分のいたらなさに情けなさが募った。
「今からたっくさん楽しむんだから!」
だから目一杯明るく言葉を落とすと、
「遅いし!」
やっぱり意地悪な紅葉さん。
「遅くない!今からだよ本番は!」