お姫様の憂鬱†王子様の愛情
もうそろそろだと思っていた。
ユアリス=ティアル=ディクトリア
もう少しで17歳。
他の国の娘たちは16歳になると同時に結婚させられたと聞いていたから。
ユアリスは遅いくらいなのだ。
けれど、本音では…まだわたしは結婚させられないと思ってた。
だってティアル国は発展国だから。
他の国に嫁がなくても、十分豊かなんだもの。
「まぁ~!!物分かりのいい娘で母様嬉しいわ」
正直、目の前の美しい母親が喜ぶ姿を恨めしく思うが、国の王の娘に選択権なんてない。