お姫様の憂鬱†王子様の愛情
「ユアリス、アイツに泣かされたら…いつでもティアル国に帰ってくるんだぞ?」
「ふふ。ありがとう、兄様。……大好き」
感情の高ぶりのあまり、タトスに抱き着くと照れたような表情をする兄に、
妹ながら、そういう所はいつ見ても可愛いと思う。
「ユアリス=ティアル=ディクトリアは、
ヴェルディナ国第二王子ライト=ヴェルディナ=リークロイス様の妻になって、
精一杯頑張りますわ」
「ああ。だが、無茶はしないと約束してくれ」
「…はい。約束します」
未来のティアル国王であるタトスとの約束。
頼りになる兄様がいてくれてよかったと心底思った。