白い光の中で
階段を上がっていくとき
海斗と恵奈は無言だった



恵奈に手を差し伸べられたあと
その手を握ると
少し力が加わって
恵奈は立ち上がった


その時あまりにも軽い
少女の身体に
海斗は驚いた





起こしてあげると
すぐ手を離してしまったから
今は手を繋いでない




海斗は恵奈の少し後ろを歩いて
恥ずかしさから
下を向いた



「着いたよ」



沈黙を破ったのは
恵奈の明るい声だった
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