ほっぺた以上くちびる未満
「ほな、またな」
もうちょい居座ろう思ててんけど、今日はこれ以上アカン。
このまま一緒におったら、確実に襲ってまうわ。
まだ昼間やし、あの子のママさんもおるし……今日はアカン。
「あらっ?
スズくんもう帰っちゃうの?」
「お邪魔しました~」
リビングにおったママさんに挨拶して、家を出る。
2階の彼女の部屋のカーテンが少し開いてて、その隙間からあの子がこっち覗いてんのは気付かんフリ。
ほんまに可愛い子ォやねぇ……。
まぁ、とりあえず“ボクの”って印は付けてきたし、当分は男寄り付かへんやろ。
「さーてと……」
あの困ったチャンへのお仕置き、どないしょーかなァ……。