好きじゃない。ワケでもない。
「…親しくないヒトをあまり名前で呼びたくないんで」
そう言うと小泉拓は頭を傾げる。
「親しくないの?俺ら。」
「うん」
「え。うそ」
「いや、まじ」
そこまで言うと小泉拓は俯いた。ようやく日本語が通じたようで一安心だ。
「ヤダ」
ダメだこりゃ。
「ヤダくない」
「ヤダ!!親しくなる!!つーかなれ!!きょーから留衣は俺のものな!!」
ガバチョと顔をあげたと思えばなんだ…こいつ。
「いや、無理くさい。だってアナタ、あたしにきょーみ、ないでしょ?」
すると小泉拓は鳩が豆喰ってなんちゃらみたいな顔をしやがる。
そして一言。
「あっ、そっか」
コラコラ。あたしが傷つかないとか思っちゃ駄目ダヨー。