雪情
【車酔いー3】


「ワシの部下は、
もう気付いている頃だと
思うが………」






すると大久保は



「じゃあ仲間とかは
助けに来ますか?」





「そうだ仲間だ!
警察は来ないのか!」





と小川も
身を乗り出す感じで
聞いてきた。






しかし、
その質問に
田崎は首を振った。






「いや、
帰ってこないのは
気付くかもしれんが、

村から
出られないだけだと
思っているだろう。

こんな山にいることは
誰にも言っておらんよ」






「それは残念ですね…」






「なんだよ!
雪山に登るってのに
誰にも
言わなかったのか?

本当に山登りを
なめているな」






小川のそれを聞き
(そのとおり)といった
感じで、

影で白井が
ニヤついていることは
誰も気付かない。






「本当に
お恥ずかしい話です。

連絡したかったのですが

村からの電話は
一つしかなく、

その電話も故障中と
言われたので……」






これはもはや
言い訳になっていると
田崎自信も感じていた。






せめて置手紙くらいは、
あの駅員に
渡せておけばよかった

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