雪情
【予感の的中ー13】


「とすると、
二人程川上さんの側に
居てあげた方が
いいですね」






「一人で十分だと
ワシは思うな」






二人だと少しマズイな…

…と田崎は思っていた。






あまり大勢で行くと、
川上に追い出される
可能性もあるからだ。






「そうですね、
では一人ずつ交代で
行きますか」






と一人ずつ
行くことに決定した。






しかし
一人で行くと聞いて、
小川はあまり
いい顔をしない。






途中
もしまた雪男に
出会ったら………

もし荻原のように
襲われてしまったら……






そう考えるが、
この不安はすぐに
なくなった。






「では行くのは
ワシと大久保さんが
交代で行くことに
なりますが、

小川さんは
それでよろしいです
かな?」






一人となると

小川や白井は
川上と気まずいまま
なので、

田崎は気を使い
この二人を行かせる案は
出さなかった。






小川にとって

それは再度自分と川上は
気まずいままだと
認識し、
落ち込むところだが、

一人でこの吹雪の中
歩かないで済むと
ホッとする気持ちもある






複雑な心境だが
小川はそれを承諾した
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