雪情
【存在せぬものー5】
今、
食べ物や暖かいものを
持っていかないのは、
川上のお腹が空き、
うまく
家に連れ戻せるために
あえて
何も持っていかないのだ
にしても寒い。
「う~冷えるわい。
さて、
雪男に出くわさない
ように
慎重に行くかな……」
と辺りを警戒しながら
小屋に向かった。
今回白井の元を離れ、
一人きりで行動するのは
初めてであった田崎だが
不安はなかった。
一歩一歩歩くが、
雪道が
慣れたのだろうか?
先程より楽に
進むことができ、
途中雪男にも出会わず
無事に小屋に
辿り着くことができた。
「ノック三回だったな…」
田崎は小屋の前に立ち、
トントントンと
三回ノックをした。
中からは返事はないが、
田崎はドアに手を掛けた
ドアを開けて顔を覗くと
先程と同じに
ドアの横に
川上が立っていた。
「また来たの刑事さん?」
しかし
そう言っている声は、
歓喜に満ちている声に
聞こえた。
やはり寂しさは
隠しきれるものでは
なかった。
「まあね」
「今度は何の御用?」
「ワシがここにいても
構いませんかね?」
「え?」
川上は虚をつかれた。
「要は
ボディーガードみたいな
ものだよ。
それなら
ここにいても
いいですな?」
すると
川上は下を向き
考え込んでしまった。
やはり
側にいるだけでも
無理なのだろうか?
「何があるか
分かりませんし、
こればかりは
嫌とは言わせませんぞ」
「………分かったわ。
また外で粘られて
荻さんみたいな目に
遭わせたくないもの。
じゃあ
戸を閉めてちょうだい」
「ありがたいです」
田崎は
戸を閉めながら言った
今、
食べ物や暖かいものを
持っていかないのは、
川上のお腹が空き、
うまく
家に連れ戻せるために
あえて
何も持っていかないのだ
にしても寒い。
「う~冷えるわい。
さて、
雪男に出くわさない
ように
慎重に行くかな……」
と辺りを警戒しながら
小屋に向かった。
今回白井の元を離れ、
一人きりで行動するのは
初めてであった田崎だが
不安はなかった。
一歩一歩歩くが、
雪道が
慣れたのだろうか?
先程より楽に
進むことができ、
途中雪男にも出会わず
無事に小屋に
辿り着くことができた。
「ノック三回だったな…」
田崎は小屋の前に立ち、
トントントンと
三回ノックをした。
中からは返事はないが、
田崎はドアに手を掛けた
ドアを開けて顔を覗くと
先程と同じに
ドアの横に
川上が立っていた。
「また来たの刑事さん?」
しかし
そう言っている声は、
歓喜に満ちている声に
聞こえた。
やはり寂しさは
隠しきれるものでは
なかった。
「まあね」
「今度は何の御用?」
「ワシがここにいても
構いませんかね?」
「え?」
川上は虚をつかれた。
「要は
ボディーガードみたいな
ものだよ。
それなら
ここにいても
いいですな?」
すると
川上は下を向き
考え込んでしまった。
やはり
側にいるだけでも
無理なのだろうか?
「何があるか
分かりませんし、
こればかりは
嫌とは言わせませんぞ」
「………分かったわ。
また外で粘られて
荻さんみたいな目に
遭わせたくないもの。
じゃあ
戸を閉めてちょうだい」
「ありがたいです」
田崎は
戸を閉めながら言った