雪情
【二人目の死者ー6】


「おお、そうだな。

でも、
ついでにもう一度
小屋に行ってみて
良いかな?」




「また行くのか?

もういいだろ~」




白井は
あまり気が
進まないようだ。




当然死体が
怖いからである。




「ちょっと、
よく見たいのでな」




仕方なく
田崎について行き、
小屋に行くことにした。




小屋に着くと
ドアが閉まっていた。




最後に白井が
閉めたままである。




田崎は戸を開け、
中に入ってみた。




悲惨な殺人現場を
見たくないので、

白井と大久保は
外で待機している。




「何してるんだ~?」




外から吹雪に混じって
白井の声がしたが、

田崎は中で
調べ物に熱中していた。



(まったく返事なしかよ

よく女性の死体見て
平気だな)



仕方なしに、
外でひたすら
待つしかなかった。



数分程で
田崎は中から出てきて、
静かにその戸を閉めた。



「さあ
家に戻りましょう!」




ここは寒い。


早めに家に帰り、
そこで
話をすることにした。



家に戻るなり、
白井は冷蔵庫にある
ビールを取り出した。



「これもらっていい?」



と白井は
大久保に聞いた。



「小川さんのですが、
一本くらいなら
分かりませんよ」



つまり
バレないから、
飲んでもいいと言う
意味である。



ラッキーと言う感じで
白井はフタを開け、
グビっと飲みながら
腰を下ろした。



「刑事さん、
それで何を調べていたの
ですか?」



「ああ、
それは雪男の殺害方法を
調べてみたのだよ」



大久保は
目をパチクリさせた。



「殺害方法…ですか?」



「やはり雪男は
川上さんの猟銃を
無理やり奪い、

その銃で射殺した
模様ですな」



先程の
大久保が話した推理と
同じようである
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