雪情
【強盗殺人ー4】


「推測立てるより
直接本人に聞きな。

気ばかり焦るなよ」





と逆に
白井に説教された
気分である。







仕方なく田崎は、
小川が目を覚ますまで
待つことにした。







だが、
白井はそれさえも
待てないようである。






「んで、

このまましばらく
目を覚まさなかったら
どうするんだ?」






「どうするって?
どういう意味かね?」






「もちろん
これから雪が止んだら、

コイツを置いても
下山するかしないかだよ」







少し田崎は
考えてから答えた。






「こんな状態では
置いていくことなんて、
とてもできんよ。

ねえ大久保さん」







「そうですね
置いてはいけませんね」






すると白井は慌てて、



「そ、そうだよな。
やっぱ」







だが白井の内心は
(チッ)っと残念がった
感じであった。







彼にとっては、
またも面倒な展開に
なってきているのである







(早く下山したいのにな

ここは何としても
コイツを起こさねーと)






と白井は
小川をジッと見つめる。






少しは肌の色が
戻ってきたように
感じられる。







「他に何か暖める方法は
ないかね…」







田崎は辺りを見回し、
役に立ちそうな物を
探した。







しかし、
暖房機もなければ、
これ以上かける布団も
なかった。







そんな田崎を見ると、
白井はピンとひらめいた
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