雪情
【強盗殺人ー6】
白井は階段を上がると
手前の部屋ではなく、
奥の部屋に
足を伸ばそうとした。
これは意識的ではないが
少しでも
田崎達から離れ、
羽を伸ばしたい
気分であったからである
だが、
決して田崎達と居るのが
嫌なわけではなかった。
それは、
だんだん田崎に
心を許していると
言えよう。
今はただ、
たまには一人になるのも
悪くないなと思い、
二階に上がった
だけである。
そして、
ドアを開けて部屋に
入ると、
当たり前だが
先程と何も変わりない。
白井は
電気も点けずに
窓へと近付き、
淵の部分に手をかけた。
ほんの数時間前
ここで腰掛け、
田崎が来るのを
待っていた場所である。
あの時は、
白井がここから
逃げたかと勘違いし、
田崎が慌てて
この部屋に
入ってくるのを
面白可笑しく
見ていたのだ。
「見張りか…」
白井は前と同じように
窓淵に腰をかけた。
と、いつものように
外の降る雪を眺め始めた
この雪を見て考えるのは
いつも過去のこと
ばかり……
………
白井は階段を上がると
手前の部屋ではなく、
奥の部屋に
足を伸ばそうとした。
これは意識的ではないが
少しでも
田崎達から離れ、
羽を伸ばしたい
気分であったからである
だが、
決して田崎達と居るのが
嫌なわけではなかった。
それは、
だんだん田崎に
心を許していると
言えよう。
今はただ、
たまには一人になるのも
悪くないなと思い、
二階に上がった
だけである。
そして、
ドアを開けて部屋に
入ると、
当たり前だが
先程と何も変わりない。
白井は
電気も点けずに
窓へと近付き、
淵の部分に手をかけた。
ほんの数時間前
ここで腰掛け、
田崎が来るのを
待っていた場所である。
あの時は、
白井がここから
逃げたかと勘違いし、
田崎が慌てて
この部屋に
入ってくるのを
面白可笑しく
見ていたのだ。
「見張りか…」
白井は前と同じように
窓淵に腰をかけた。
と、いつものように
外の降る雪を眺め始めた
この雪を見て考えるのは
いつも過去のこと
ばかり……
………