雪情
【強盗殺人ー7】


バン!!!




鉄製の机を叩く音が、
取調室に響いた。





「いい加減
容疑を認めろ!!」




ただでさえ
小さい部屋になのに、

そんな大きな声を
出されたら、
ひとたまりもない。





怒鳴られた先には、
白井が座っている。





その格好は
今とは
想像もつかない程に
礼儀正しく、

パイプ椅子に
キチンと腰掛けていた。





「刑事さんお願いです、
信じてください!!」





白井は
言葉も反抗的でなく、
丁重に返していた。





まったく今と比べれば、
別人のようである。





「信じろだと?

殺人を犯した人間を
信じられると思うのか?

警察をバカにするな!」





この男は
白井の取り調べをして、

先程から
怒鳴りつけている。





取調室の部屋の中には、
白井一人と
刑事が二人いた。





一人は
この30歳前半の
若手の刑事で、

先程から
何度も白井を
怒鳴ってばかりいる。





そして、
もう一人は
60歳程だろうか?




髪は白髪で
この様子をジッと
見つめるだけで、

一度も口を開いていない





白井は警察に捕まり、
事情聴取として
話を聞いてもらっている
ところなのだ。





話を聞いてもらって
いる?





いや、
白井の話など
一向に聞いてもらっては
いない。





この若手の刑事は、
白井の言うことを
全く信じないのだ。





「お願いです、
信じてください!!

確かに私は
人を殺しましたが、
お金目当てじゃ
ないんです!」





「それが信じられんな!

いいか?
殺された藤川の自宅から
金品が盗まれているんだ

彼を殺害し、
部屋を荒らすヤツは、
お前以外の誰がいる!」





と男は
本当に殴りそうな勢いで
白井に食いついた
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