雪情
【強盗殺人ー9】


しかし、
白井が
殺人自体をしたことは
紛れもない事実。







言い分など、
耳を傾けるわけは
なかったのである。






「殺人はしたのは
認めます。

けど、
お金を盗んだのは
私ではありません」






「よくも
そんな嘘を白々しく
言えるな。

なら言ってみろ!
殺害された藤川の部屋が
荒らされて、
金品が盗まれた
理由をな!」







そんなことは
本当に知らなかった。






白井が
その男を殺した時は、
部屋は荒らされておらず

その後も
何も手をつけずに
その場を後にしたのだ。






つまり
その後何者かが
部屋を物色したに
違いない。
と白井は考えた。







「私が殺害した後に、
誰かが物色したのでは
ないのですか?」







「ほう~
誰がそんなこと
するんだ?

いつまでそうやって
逃げるつもりだ?」






決して逃げている
つもりはない。




勝手に決め付けて
ほしくないものだ。






「お前は
被害者が金持ちなのを
知っていて
襲ったんだろ!」







殺害された
藤川と言う男は、

若くして
藤川グループの社長で
あった。








白井は
そのことは知っていたが

それが理由で
殺人をしたわけではない
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