雪情
【強盗殺人ー11】


「ちょっと
待ってください!

本当です、
信じてください!」






「ふん、
これ以上聞いても
意味がないな」






と上から見下ろされる
ような感じに、
言葉を吐きつけられた。







男はドアを開けて
出て行こうとしてが、
振り返り白井に言った。







「どーせその女の話も
嘘なんだろ?

そうまでして
刑を軽くしたいか。

全くバカなことを
言いやがって、
作り話もつまらんな」







プッツ……







この音は何の音だろう?







そう、
自分の中で
何かが切れてしまった
音だ。







この時ばかりは、

生まれて初めて
糸が切れるような音が
ハッキリと聞こえた。







気がつけば、
床に先程の若手の刑事が
倒れている。






拳には血がついていた。






止めに入る警官も
次々になぎ払っていく。







何回警棒で
頭を殴られただろうか?




しかし、
不思議と痛みは感じず、
怯むことなく殴り返した







「うおおおおおおおおお
おおおおお!!!!」







白井の暴走を、
もはや誰も止めることは
できなかった。







その勢いで
警察署から逃げ出した
白井は、

そのまま
行方をくらませた……







………
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