雪情
【外からの威圧感ー10】


殺人快楽のためだけに
自分の恋人が
殺されたというのは、

納得いかなかった。






「そう認めざるを
得ないですな。

現に
一人きりになった
荻原さん川上さんは
殺害され、

小川さんも
危うく殺されかけた
じゃないですか」






「でも、なんでだ!

荻さんや俺の場合は
外に一人でいたから
襲われたんだが、

さゆりの場合は違う。

あいつは
小屋にいたじゃないか!」






小川の言う通りであった







なぜ川上が
一人であの小屋に
居るのが、

雪男にバレたのだろう?







田崎も
そのことについては
頭を悩ませた。







しかしその時、
話を聞いていた白井は
ピンときた。







(もしかして、
こいつらが何度も
あの小屋に
出入りしていたから、

バレたんじゃ…)





白井はそう思っていたが

小川も同じコトを
考えていた。






「何度も何度も
あの小屋に行ったから、

雪男に気付かれたん
じゃねえのか?」





小川の言ったことを
聞くと、

田崎は
それに気付いたように
ハッとして、

何も言えなく
なってしまった。





その可能性もないとは
言えないからである。





「図星じゃないのか?
え?刑事さんよ!!」





何でも
自分に責任があると思う
田崎は、

この言葉が
とても痛かった。





すると小川は
大久保にも怒りを向けた





「それに大久保!

お前も
連れ戻せないなら、
俺達のうちの誰かが
さゆりの側に居て
あげればいいって
案出したよな?

そのせいで
出入りが頻繁になって
雪男に勘付かれたんじゃ
ねえのか!?」





「いい加減にしろ!!」






そう怒鳴ったのは
白井であった
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