雪情

【殺人の目ー９】


「はい、
そう言っていました」






「暴れたって…

大久保さん
大丈夫ですか？」






「あ、暴れたと言っても

小川さんは
フラフラの状態ですから
大丈夫ですよ」







まだ
白井の一撃が
効いているらしく、

暴れても危険性は
なさそうだ。







大久保は続けて、



「それで落ち着かせて
換気をするために、
窓を開けたら
更に暴れるんです。

『窓は開けるな、
奴が入ってくる』って…」







「窓から？

二階ですぞ？
雪男は
忍者でもあるまいし…」






一体小川は
何を言っているの
だろうか？







まさか
白井に殴られた
ショックで、

どこか
おかしくなったのかと
田崎は心配した。







「それが、
窓から来るハズはないと
落ち着かせても、

それでも
雪男は来ると言って
いましたよ」







そんな事を
言うとなれば、

ますます
おかしくなったのかと
不安である