雪情
第18章 溶け始める運命
【火で灯す闇ー1】


ギイ~~





二階のドアが
開いた音が聞こえた。





すると、
それと同時に
突然悲鳴が響き渡った。





これは明らかに
大久保の声であった。





「お、おいなんだ…?」





白井が二階を見上げた。





「行くぞ白井よ!!」




田崎と白井は
急いで
階段を駆け上った!




そして二階に上がると、
すぐ大久保の姿を捉えた




大久保は
廊下にしゃがみ込んで、

ガタガタ震えながら
ドアの前に居た。




そのドアは開かれており

大久保の体は
部屋の方を向いていて、
中を食い入るように
見ている。




「どうしたのかね!!」




大久保は
田崎に気付くと、

信じられない言葉を
発した。




「ゆ……雪男…」




この言葉に、
田崎は勢いよく部屋を
見た!




すると……




薄暗い部屋の窓近くに、
小川が倒れていた。





「小川さん!!」





しかし、返事はしない。





床に伏せている小川は、

先程の
白井に殴られ
倒れているのとは
ワケが違う。




この光景を見て
分かることは、

もう小川は二度と
起き上がらないと
いう事だけである。




血も尋常じゃない程に
噴出しており、

床に血が
溜まり始めている。




「うわ……」




白井もそれを見て
完璧に青ざめている。




「止血だ!!
まだ間に合うかも
しれん!」




田崎は慌てて近付いた。




だが、
田崎は止血せずに、
その場に立ち尽くした。






「お、おい
止血するんじゃ…」






白井の言葉に
田崎は首を振った。




「もう……
死んでおる……」





小川は即死であった…
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