雪情
【火で灯す闇ー5】


それを聞いて田崎は
やはり!と思った。






小川や川上に
撃たれたのに
死ななかったのも、

防弾チョッキを
着ていたからであった
と言うことだ。







これで
雪男の不死身の定説は
崩れた。







「そうですか!
いや~よかった。

白井よ残念だったな
村の伝説通りの
不死身じゃなくて」






「別にいいさ。

伝説を信じていたが、
所詮そんな程度だと
感じていたよ」






とにかく白井は、

不死身じゃないことが
分かっただけでも
安心である。







「他に
特徴はありましたかな?

例えば大きさとか…」






「そうですね……

少なくとも2mは
ある大男でしたよ。

あとは
特にありませんね」







と大久保から得た情報は
ここまでであった。






しかし
気になることが二つ





一つはどうやって
二階に忍び込めたのか。






もう一つは、
何故小川があの部屋に
一人でいることが
分かったか。







「大久保さん。

外に行って
裏へ回った時に、

怪しい人影や、
様子が
おかしかったことは
ありますかね?」







「全然
思い当たらないです。

もしかして
外から小川さんを
呼びかけた時には、

すでに
雪男に殺されていたの
かもしれません。

現に呼んでも
返事をくれません
でしたから…」







確かに
そうも考えられる。






小川が
一人になっていた時間は
短いが、

その間には
犯行が可能である
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