雪情
【火で灯す闇ー6】



「では、どうやって
ヤツは二階に…」







「それですが、
実は裏に回ると
分かりますけど、

雪のせいで
二階との高さが
短くなっていました」






「しかし、
いくらなんでも
手が届く程かね?」





「雪男は
とても背がでかい人です

助走をつけ
運動神経が良ければ、

二階の淵をジャンプして
掴むことは
可能に思えます」






田崎が
二階から見た時も、

雪はかなりの高さに
達していた。







雪男が
梯子など持ち歩いて
いるわけでもないし、

そう考えるのが
一番自然であるのかも
しれない。







しかし、
銃を持ちながら
二階に飛ぶと考えると、

恐ろしい運動能力の
持ち主である。







「それならば、

ヤツはいつ二階に
忍び込んだのか…」






田崎の頭を悩ませたが、
大久保はこう答えた。






「やはり、
それは銃を落とした時に

外で私の行動を
見ていたのかも
しれませんね。

ここで
刑事さんと話をして
外に行く短い時間に、

雪男は二階へと
忍び込んだと
思えますね」







それならば、

どうして
小川が一人で居ると
言う事が
分かったのだろうか?





なぜ、外に
一人で出た大久保の方を
狙わなかったのか?






新たな議題が
次々と浮かんできている
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