雪情
【火で灯す闇ー8】


どの道、
待つことしか
田崎達には
できないようである。

そう朝まで…






だが、
その間に襲われたら
どうであろう?







いくらこちらが三人でも

相手は何人もの
人を殺している殺人鬼。






殺人といった意味では、

白井とは次元が違う程に
極悪なまでの
性格を持っている。







田崎達に
不安や恐怖が駆け巡る。







やはり待つだけでは
駄目だ!…っと
言ったのは
大久保である。







「刑事さん…

…待つだけでは駄目です

ここは私に
任せてくれませんか?」






何を思いついたのか?
希望の言葉に聞こえた。






続けて大久保は



「助かる方法が
一つだけあります。
それも一か八かの」






「何かね!?
助かる方法とは!!」






喜び
身を乗り出す田崎に、
大久保は答えた。







「緊急のための
麓への連絡です。

この山に
その様な連絡所が、
一つだけあるのですよ」







この状況を
麓の警察に
伝えることができたら、

1時間もしない内に
救助が
来てくれるだろう。





しかし、
それを聞くと
白井はガッカリした
ように言った。







「なんだ…

…ってことは
結局外に
出なきゃいけないのか」






今、
外に出るのは
危険である。







白井はこの家の中で
できることで、

助かる方法を
考え出したのだと
期待していたのだ。






すると、
大久保は
とんでもない案を
出してきた
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