雪情

【火で灯す闇ー１１】


「では、刑事さんの
判断でいいですね？

本当にそれは、
よく考えた上での
言葉ですね？」







大久保は
ジッと田崎の目を見た。






それに対し、
田崎はウッと目を
逸らしたくなった。






よく考えてみれば、
本当にこれでよいの
だろうか？







ずっと田崎中心に
動いてきたはずなのに、

もう三人もの犠牲者を
出している。







もしかして
今までの判断は、

全部間違っていたのかも
しれない。







自分の責任と感じる
田崎は、

まともに大久保の目を
見ることができなかった







「……ここで
ただ待つより、

生存率はありそうかね？」






すると大久保は
自信をもって答えた。






「私はあると
信じています」







「………」






正直田崎は迷っていた。



どちらが良いのかと。






これを決定することで
凶にも吉にもなるの
だから、

考え込んでしまうのも
無理はない。







しかし、
そんな迷いを
断ち切るべく

大久保は言った。







「ヤツは今
油断をしているはずです

「外に出てくる
はずはない」…と。

必ず
私一人なら連絡所に
行けます。

ここは敵の裏をかいて、
一泡吹かせて
みせましょう！！！」






「う～む……」







「刑事さん！

失敗を恐れて
勝機を逃したら
後悔しきれませんよ。

ここはどうか
私に任せてください！」







「…よし、
承知しましょうか」






田崎は一か八か、

その作戦に
賭けてみることにした。







それは、
大久保が冷静と判断力が
あり、

何か考えた上での作戦と
信じていたからであった