雪情
【火で灯す闇ー14】


「これで
救助がきたら
助かるかもしれんな。

お前さんの願い通り、
山を下れるぞ」







「ああ、
やっと俺も
刑務所に行ける」







「明日が
時効だと言うのに、

刑務所に入りたがる
お前さんも珍しいな」






田崎は軽く笑みを
浮かべている。







白井の時効は
明日で時効であり、

今日一日
どこかに
身を潜めていれば、

もう捕まらないのである







「仕方ないだろ、
罪は罪だ。

ちゃんと償うよ」







白井は
田崎と言う刑事に
出会ったことから、

考えが
変わっていったのだ。






「白井よ、
お前さんは何故…」






と言いかけたが、
それ以上は言わなかった







そうだった、

白井から話すまでは
聞かないことに
するんだったな……と

田崎は思った。







「何故…
それからなんだ?」






「フフ、
いや何でもないわ」






バシュン!!







一瞬何が起きたのか
理解できなかった。






目の前が真っ暗になり、

何も見えなくなって
しまった
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