雪情
【白井の過去ー4】


田崎はこの時、
すべてが納得できた。





今までの行動を想定して

白井は
殺人をするような
ヤツだとは

思っていなかった。





だが、
この話を聞いて

やっと理解することが
可能となった。





白井は
彼女がひき殺された
復讐のために、

藤川の殺害したのだ。





「そう…だったのかね…」





「後は言わなくとも
想像できるだろう?」





その通り、
田崎には全て想像できた。





いくら何でも、
自分の彼女を
ひいて殺した上に

唾まで吐かれたら
許せるはずもない。





白井は
彼女が亡くなった後、

警察に
ひいた犯人を見たと
一言も言わなかった。





ナンバーも顔も
覚えているのに関わらず

警察に何も
藤川のことを
話さなかったのだ。





当然その理由は

藤川に復讐する為であった。





ひき逃げと言って
捕まえて、

法で裁くのだけでは
生ぬるい。





白井はこの手で
仇を取りたかったのだ。





「それで
藤川のマンションに
忍び込んで

殺害したと
言うことかね…」





「ああ、その後
俺は逃げたんだが

数日後
警察に電話したんだ。

犯人は俺ですってな」





「それは聞いておるよ。

始めお前さんは
自主したってな」





「そうか…

それで警察に
出頭したんだ。

理由があるなら
刑は軽くなり、
一年以内に出られるって
電話で言われたからな」





一年以内なら……っと
白井は警察を信じて
自主を決めた。





「しかし、
話が違っていた。

俺は強盗殺人をしたと
言う事になっていた…」





「それは、
金品を盗まれたった言う
報告があったからね」





すると白井は
それを強く否定した
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