雪情
【白井の過去ー9】


警察も
いくらなんでも

犯人に何でも
言っていいという
わけではない。







もちろん今回の事は、
警察側に
一方的な過失があると
考えられよう。







話を聞いてもらえず
嘘呼ばわれをし、

更には白井にとって
悲しい話を
作り話とけなした。






誰がどう見ても、
手を出してしまうのは
仕方がない事である。







しかし、
その話にも
また証拠が必要なのだ。





証拠、証拠、証拠







もう
うんざりである。







当然、
警察側は
それをもみ消す事が
できよう。







田崎が
いくら信じたとこで、
白井の罪は変わらない…



…警察と言うのは
そのように
できているものであった







そんなことで白井は
警察・刑事関係が
大嫌いになったのだ。







そう、
田崎に出会うまでは……






「でもあんたは違う。

信じてくれただけでも
いいんだ」







「ワシも
警察の考えは好かんね」







「ハッ……いいのか?
刑事がそんな事言って」







「構わんよ。
誰も聞いているわけでは
あるまい」







「全く、
あんたっていう人はよ」






暗闇の中で
白井は薄っすらと
笑ってくれたようである
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