雪情

【推理の末にー７】


目の前に起こる
ワケの分からない光景を

白井は
ただ呆けて見ていた。





「く、やはり……

お前さんだったかね…」





手のしびれを押さえながら
田崎は言った。





「ふふ、
その様子だと
全て分かって
しまいましたか。

もう
少し早く出ていれば、
殺されずに済んだものを…」





と大久保は
クスっと笑った。




その顔は、
今までにないくらいの
冷たい笑顔であった。





「ど、どう言うこと
なんだ？
大久保さん」





今ある現状を
理解していない白井は
そう言った。





「白井よ、動くでない！」




田崎のその言葉に
ビクッと白井の動きは
止まった。




「いいか、
全てはこいつの犯行
だったのだよ！！」




そう田崎は白井に
言い放った。




その言葉に
白井は信じられなかった




「おや？

その様子では
刑事さんから
聞かされていなかった
ようですね？」




大久保はクスクスと笑う




「そんな、大久保さん！
どうしてなんだ？

刑事さんも嘘だろ！？」




「いや、本当じゃよ。

その証拠に
今銃口を向けている
ではないか」




白井の言葉を
田崎は真っ向から
否定した。




それを認めざるを
得なかった。




全ての殺人は
大久保がやったのだ！！




「さて、
死んで
いただきましょうか。

っとその前に
何故私が犯人だと
分かったのか
聞かなくてはね」




大久保は、
完璧な自分の犯行を
解かれた理由を
聞きたかった。




チャキっと
銃口を田崎に向けると
大久保は言った。




「さあ、
死ぬ前に
話してくださいよ」




すると
田崎はゆっくりと
話し始めた