雪情
【推理の末にー21】


白井の言葉に
田崎は情をうたれた。




「そんな事はないぞ。

お前さんのおかげで
助かるかもしれん」




と田崎は
大久保の後ろの外を見た




外はいつもより増して
吹雪いていた。




「は?
どう言う事だ…?」




「吹雪になっている…

もし、
銃声が聞こえていれば…」




このわけも分からない
田崎の呟きに、
白井は疑問を抱いた。





!?





と、急に田崎は
不敵に笑い出した。




「…フ…ハハハハ……」





「……何が
可笑しいのです?」




大久保はその笑いが
気にくわず、

銃を田崎の頭に
狙い定めて言った。




「大久保よ…

あなたは素晴らしい
頭脳をお持ちだ……

申し分ない」





「………」





大久保は黙って
田崎の話を聞いている。




「だけど貴方は一つだけ
間違えた事があった。

ハハハハハ……」





「馬鹿にしているの
ですか?

何だと言うのです?」





大久保は
銃に指をかけた。





「ハハハ……。

そのたった一つの
間違いと言うのは、
荻原さんを殺した相手だよ。

犯人は
小川さんと言うのは
間違えておる」





「なんですと?

いい加減な事を……

なら一体
誰が殺したと言うのです?」





その時、
白井の目に
信じられない物が
飛び込んだ。





「大久保よ……

荻原さんを殺したのは、
今貴方の後ろにいますよ…」





そう言われた瞬間に、
大久保は後ろから
巨大な気配を感じた。





とてつもない
悪寒さえも襲い、
背筋が凍った。





「な?!」





っと大久保は
バッと後ろを
振り向いてみた。







すると、そこには

伝説の
雪男が立っていた………
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