雪情
【雪情ー7】


「あ、
肝心な事を
忘れていた!

なんで俺らは
雪男に殺されなかったん
だろう?

……何て、
さすがのアンタでも
動物の言葉が
分かるわけないか」






これは
このまま謎に終わるかと
思った。






しかし、
田崎から意外な答えが
返ってきた。







「理由は分かるぞ。

動物の言葉が
分からなくともね」






「は?嘘だろ!?」






「大久保がして
ワシらがしなかったこと

それは猟銃の発砲だよ」







「発砲??」







そう……

大久保は銃を撃つと、
それに対抗した雪男に
吹っ飛ばされたのだ。







田崎は話を続けた。






「雪男は
猟銃を持つ者に対し、
敵対心を持つのだ。

お前さんも
言っていただろう?

村でも
殺されたのは猟師のみで

銃を持っていない
一般人が
助かったことがあると」







「あ……」







白井は
その見事な推測に
呆気を取られた。







田崎は
白井の言った話だけで、

ここまで考えることが
できたのだ。







「まあ、
あくまで予想だった
からね。

雪男が
目の前まで来たときは
ヒヤヒヤしたわい」






「まったく…
もし違っていたら
どうするんだよ。

笑い事じゃ済まねえぜ?」







白井がそう言うと、
田崎はスマンスマンと
頭をかいた。







しかし、
助かったから
良い事としよう
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