雪情
【誘惑ー６】


その返事に
川上は嬉しそうに答えた







「よかった起きていて、

白井さんのこと
いろいろと知りたいのよ」







「知ってどうするんだ？」






「どうもしない、
ただ知りたいだけよ」




川上は続けて




「刑事さんもあんなに
気持ち良さそうに
眠っているから、

二人だけで話しよ」






田崎は寝息を立てている


、がもちろんこれは
寝たふりをしている
だけである。






「………ああ、
そのようだな」






白井は
田崎が寝たふりを
しているのを
知っているのかは
分からない。







とにかく
逃げようとはする気配は

今のところなさそうだ。




「白井さんは
彼女とかいないの？」




なぜか白井は
何も答えなく、

黙ったままである。




その反応を見た川上は




「あ～、いるんでしょ」

と言った。




少ししてから
白井は答える。




「今は……いない……」




妙に元気のない返事だ。




「どうしたの？
なんで前の人と
別れたの？」




「あんたには関係ない」




白井は冷たくそう言うと
寝直そうとした。




「ちょ、ちょっと待って

ごめんなさい
前のことなんて聞いて…」




川上は
少し焦ったかのように
言う。




「別にいいよ………」




白井は素気なく答えた。




「好きな人もいないの？」




「ああ」




その答えに川上は




「じゃあ…
こんなことしても
怒られないよね？」




といきなり川上は
白井に抱きついてきた！




さすがにこの展開に
田崎は驚いた。



が、依然
寝ているふりをしている
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