雪情
【捜索ー14】


白井は
大声で話しかけてきた。


「ったく
だからさっきトイレに
行けって言ったんだよ!」


「仕方ないだろ!!
もう限界なんだ!!」


「まったくバカだな!!
俺まで巻き込むな!!」


「なんでって!!
聞こえないぞ!!」


さっきは
大声で聞こえたが、
今は更に風が強いので
白井の声が
うまく聞き取れなかった


「何でもねえよ!!
早く行くぞ!」


白井はこれ以上
大声で話すのが
面倒なのでそう言い、
早く歩き始めた。


と、
やっと小屋まで着いた。


急いで田崎はトイレに
入るが、

ドアを閉めなかった。


「おいおい!!
ちゃんと
ドアを閉めろよ!!」


「仕方ないだろ!!
お前さんを
見張らなきゃいけない
からな!!」


顔は後ろを向いて
白井の姿を確認しながら
用を足した。


はたから見たら
不気味な光景である。


そして、
やっとスッキリした
田崎は
トイレから出てきた。


「悪いな待たせて!!
さあ探しに行こうか!!」


だが、
白井は答えもせず
小屋を見つめていた。


「どうした!!
何をボーっとしている!
行くぞ!!」


すると白井はハッとして
答えた。


「おい!!
今、
何か音がしなかったか!」


「音!!?
ワシには
聞こえなかったぞ!!」


「あんたには
聞こえなかったか!!?

今小屋から音が
聞こえたぞ!!」


また「音」か、
白井の言うことだから
信用できなさそうだ。


田崎は疑いながら答えた


「本当か?
嘘くさいぞ!!」


「そんなに言うなら
俺が確かめるよ!!」


と白井は
小屋の入口に手を掛けた


しかし、
入口を開けると
白井は少し驚いた
様子である。


「刑事さんよ……
あの女いたぜ」


「なんだって!!」


田崎は怪しみながらも
小屋の中を覗いてみた。


すると、
なんとそこには
猟銃を構えた川上が
居たのだった…
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