比丘尼の残夢【完】
「... お前さん、信じやすいね。騙されやすいっていうか」

「騙され...」

「俺もさすがに子供に手なんか出さないっての」

また、これも冗談なのか。

それなら良かった!


「よ、良かったですぅ... !」

「そうだろ、そうだろ。なんだか良い話し相手になりそうだなぁ」

ご主人様は満足気に頷いているが、疑問は解消されていなかった。


「で、あのう... ご病気なんですか?ご主人様は...」

「そうなのよ、伝染病でね。
空気感染。
お前さんもう、うつってるよ?」

「えっ...」

「みんな会いたがらないだろ? お前さんもこっち来るなって向こうの奴らに言われなかった?」

「い、言われました...」

なるほど、そういう事か。
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