比丘尼の残夢【完】
「お、お使い!? お外でごぜぇますか!?」
「うん。お前さんならこの辺りの連中に、顔もほとんど知られていないだろうし」
医者はなんて言うだろう。
感染しているかもしれない私を、外になんて出すだろうか。
それに...
「嫌です、ご主人様と離れるの」
一人にするのが不安だ。
あの時から尚更体調の悪い姿など見せてはくれず、良いのやら悪いのやらさっぱりとわからない。
口をとがらせた私を見て、ご主人様は溜息をついた。
「... それは惚れた男に言う台詞だ」
そうだろうか。
心配くらいさせてくれてもよさそうなものだ。
「これは命令、命令」
追い出すような事を言って、ご主人様はまた笑った。
医者は午後になってやってきた。
「なんだ君、まだいたのか」
「うん。お前さんならこの辺りの連中に、顔もほとんど知られていないだろうし」
医者はなんて言うだろう。
感染しているかもしれない私を、外になんて出すだろうか。
それに...
「嫌です、ご主人様と離れるの」
一人にするのが不安だ。
あの時から尚更体調の悪い姿など見せてはくれず、良いのやら悪いのやらさっぱりとわからない。
口をとがらせた私を見て、ご主人様は溜息をついた。
「... それは惚れた男に言う台詞だ」
そうだろうか。
心配くらいさせてくれてもよさそうなものだ。
「これは命令、命令」
追い出すような事を言って、ご主人様はまた笑った。
医者は午後になってやってきた。
「なんだ君、まだいたのか」