比丘尼の残夢【完】
入口で心配そうにしているご主人様からは見えない角度で、医者は『よくやった』と目で言った。
「... 熱はないなぁ」
形だけの検温を済ませて、医者は体温計を振りながら私の額に手を当てた。
「何処が痛い?」
「そ、そういえば胸が... 」
そう言うように言われている。
えっ、と驚いた顔をしたのはご主人様で、慌てて近寄ってきて医者の隣に座った。
「腹じゃないのか!? ナナミ」
「へ、へぇ」
お腹は減っていますが。
「直嗣、邪魔だ。聴診器当てるから胸開けて」
嗚呼、仮病なのに恥ずかしい。
言われたとおりに寝巻の合わせを解いて、無表情の医者に晒した。
さすがにご主人様は目を逸らしてくれていた。
「おお! 意外に良い身体してるな、子供のくせに」
「...... 」
「... 熱はないなぁ」
形だけの検温を済ませて、医者は体温計を振りながら私の額に手を当てた。
「何処が痛い?」
「そ、そういえば胸が... 」
そう言うように言われている。
えっ、と驚いた顔をしたのはご主人様で、慌てて近寄ってきて医者の隣に座った。
「腹じゃないのか!? ナナミ」
「へ、へぇ」
お腹は減っていますが。
「直嗣、邪魔だ。聴診器当てるから胸開けて」
嗚呼、仮病なのに恥ずかしい。
言われたとおりに寝巻の合わせを解いて、無表情の医者に晒した。
さすがにご主人様は目を逸らしてくれていた。
「おお! 意外に良い身体してるな、子供のくせに」
「...... 」