比丘尼の残夢【完】
私も気をつけなくては。


「なんでそんなに手術したくないんですか... 」

「痛そうだからに決まってるじゃないか!」

ほんとかなぁ...... 。

比丘尼に呪われているんじゃないですか、実は。

この離れから出たら身体が太陽光で溶けるとか、行き成り首がにょ~んて伸びるとか。




でも、違いますよね。

本当は早く死んでしまって、芸者さんの傍に逝きたいに違いない。

それを私に教えてくれる気はないことはわかりました。


「腹減ったなぁ、俺も食うかな... 」

「... !?」

「あっ、お前さんまさか俺の分まで食ったのか!?」

だって、食べないかと思ったんだもん。もったいないし。


「無理して、食べたんですよ... ? 残したら悪いし」
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