比丘尼の残夢【完】
キャーキャーと喜んでいたら、突然ポンと首筋からなにか服の中に放り込まれ、背中に痛みのような感覚が走った。


「ひぃっ、ぎゃー!!」

「うはは! 保存しておいた最後の氷だ! どうだ気持ち良いだろう!?」

「取って! とってくだせぇえええ」

「い・や」

「死ぬううう!」

「暴れるな! 水が減る!!」

バシャバシャと氷水が跳ねて、もうびしょ濡れだ。

後ろから押さえこまれているから動けない。


「うぅ... 」

ど、どこだ氷は... たぶんもう腰のあたりに。


強い力で押さえこまれて... 。

いるはずだった力は抜けていて、後ろから私の肩の上にご主人様の頭が乗っている。

発作なのかと思って驚いた。


「大丈夫ですかっ!?」

「うん、氷溶かしてあげてるだけだから気にしないで」
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