比丘尼の残夢【完】
「それじゃ、いっただきま〜す」

「頂きますです...」

箸はないのですか。

これなんだ?

とりあえず真似をしたらよかろうと、彼のしているように銀色の匙で黄色い液体を口に運んだ。


「ひゃ〜、うんめぇもんですな!」

思わず感嘆の声を上げてしまった。

なにこの汁もの。

甘くて、頬っぺたが落ちそう!


「美味しい? そう、なら良かった。頼めば和食も作ってもらえるよ」

「いや、いや、いや! 私はなんでも!」

「他にほしいものとかあれば、食器を玄関に出して置く時にメモに書いてそれにのせとけば、次の食事で届くからさ」

「はい! わかりました」

ニンマリです。くくく。

こんな美味しいものが毎日食べられるとは... 。
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