比丘尼の残夢【完】
田舎ではお腹がいつも減っていたのに、食べ過ぎてしまいそうです。
「美味しそうに食べるもんだねぇ。俺も食欲が湧くよ」
そういえば、この人は病人なのだった。
でもちっとも見えない。
「... あのぅ」
他の人と話すチャンスがないのなら、知りたい事はこの人に聞くしかないのだろう。
「はいな?」
「今朝、私こちらに着いて... お屋敷で着替えて、そのままここに寄越されたんですけども。私は何をしたらよいのでしょうか」
「あら、なんも聞いてないの?」
「へぇ...」
不安になって、箸が... いや、匙が止まった。
だって誰も教えてくれなかった。
先に女中奉公にでた友達によれば、お掃除したり、お洗濯したり、雑用をこなしたり、そんなようなことだと聞いていたのだが。
「そうかぁ、それは可哀想な事をしたなぁ... てっきり覚悟を決めて来てくれたのだと思っていたよ」
「美味しそうに食べるもんだねぇ。俺も食欲が湧くよ」
そういえば、この人は病人なのだった。
でもちっとも見えない。
「... あのぅ」
他の人と話すチャンスがないのなら、知りたい事はこの人に聞くしかないのだろう。
「はいな?」
「今朝、私こちらに着いて... お屋敷で着替えて、そのままここに寄越されたんですけども。私は何をしたらよいのでしょうか」
「あら、なんも聞いてないの?」
「へぇ...」
不安になって、箸が... いや、匙が止まった。
だって誰も教えてくれなかった。
先に女中奉公にでた友達によれば、お掃除したり、お洗濯したり、雑用をこなしたり、そんなようなことだと聞いていたのだが。
「そうかぁ、それは可哀想な事をしたなぁ... てっきり覚悟を決めて来てくれたのだと思っていたよ」