君とアタシのkiss☆
穂香side


「あたしの好きな人はヤス先輩」

ずっと、そう思っていた。
そう、勘違いしていた。

リョウジにキスされてから、
あたしは、誰よりもリョウジを
リョウジのことを、
思っていたということ。


そして、あたしはもう1つ気づいた。

「・・・あぁ、あたしリョウジが好きなんだ。」

手を口に当てた。
まだ、ほんのりと少しキスされた感じが残っている。
この感触が、あのことが現実だったということに気がつく。

「そうか。あたし・・・。」
真っ赤になった頬に手を当ててみる。
本当に、
嘘じゃないんだ。

今、一番会いたいのはリョウジ。
君だよ。

誰よりも愛しい。

投げているヤス先輩。
それを受け取るリョウジ。

どちらも、カッコいい。

ヤス先輩の大きなホームラン。
それに、あたしは見惚れちゃったんだよねぇ。
そのとき、浮かない顔をしたリョウジ。
今なら、その理由が分かるよ。

「なんで、俺じゃなくてヤスばっかり見るんだ。」

そう思ってたんじゃないかな。
そうだ。
今度は、あたしが言うよ。

君に
<好き>
と。

君があたしを好きだと言うなら。
あたしは言うよ。

君に好きだよ。
って・・・。



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