君とアタシのkiss☆

「え?リョウジ?まだ来てないよぉ。」
クラスの子の一人の女の子が言った。
「そっかぁ...」
あたしは、廊下に出た。
そして、つま先を東の方向に向けた。
廊下の突き当たりに来て、左に曲がった。
東階段を勢いよく駆け下りていく。

タッタッタッ...

はぁはぁ...
と息が切れてきた。
最近、走ってなかったから、前より余計に足が重い。
息切れが激しい。
「っは...ぁ」

あたしは、足軽に階段を下りていった。
もう、動かないくらい重い足が。
もう、倒れてしまうくらい揺らつく体が。


ただ、
会いたくて。
君に、
伝えたくて。

でも、
なんで、
どうして、
こんなにも、
遠いの?
道のりが長いの?


君に会いたいだけなのに。
君に伝えたいだけなのに。


あたしは、まだまだ続く階段を駆け下りた。



< 26 / 63 >

この作品をシェア

pagetop