君とアタシのkiss☆
美衣菜side

日曜日午前中・・・

カチャカチャ

パソコンで気を紛らわし中。

「ヤスくん・・・今日部活だよねぇ。」

あたしは、パソコンの画面に話しかける。

今日は、昨日ほど暑くないのに半袖のTシャツ。

今日だけ特別ほどいた髪。

腰までくる長い髪がユラユラと揺れた。

そこまで、暑くないのは分かっているけど、Tシャツから少ししか見えないショーパン。

くるぶしまでの靴下。

感情が抑えられないのが、今の事実。

モモちゃんの恋を応援したのは、『アタシ』。

後悔なんて、ないわけない。

あるに決まってる。

でも、あたしは‘恋’ではなくて、‘友’を選んだ。

裏切るわけには、いかない。

裏切るつもりは、ないけど。

後悔していない、と言ったら嘘になるけど。

応援していない、と言っても嘘になるから。

「リッチ。はやく答えを教えてよ・・・。」

あたしは、赤いチェック柄のソファーに転がった。

ソファーの上に置いてあったクッションをぎゅっと抱きしめてみた。

「はぁぁ~。」

あたしは、大きなため息をついた。

ガシャンッ

「あっ!!」

お母さんが帰ってきた。

あたしは、姿勢を直して椅子に座った。

カチャ

部屋のドアが開いた。

「・・・お、おかえり。」

「ただいま。」

そう言って、大きなバッグを下ろした。

あたしは、またパソコンの画面を見た。

話しかけてこないのが、いつものこと。

そんなことを思いながら、またキーボードを触る。

「・・・・・・。」

『小説好きな子集まれっ!』
検索・・・

カチャ

もうあたしは、一人でも大丈夫。
何にもなくても、ここで全部吐き出す。
小説の中で、本当のことを言う。

「「美菜乃と雄大の恋は一体・・・??2話に続く。」」

あたしは、小説を毎日楽しんだ。

そう、この日までは幸せだったんだ。

この日までは。



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