君とアタシのkiss☆

「はぁ・・・」

あたしは、一人で涙を流していた。

どうしたら、いいのだろう。

『無理だよ。言えない。』

なんで。

なんでよ?

いいじゃん。

いいじゃんか。

教えてくれてもいいじゃん。

でも、リッチがどうしても教えられないのは分かってる。

だって、あたしはリッチとそんなに仲良くないから。

リッチだって、あたしよりヤスくんの方が大切だって分かってる。

リッチは、あたしよりモモちゃんを大事にすると思う。

だって、リッチとモモちゃんはいつも仲良しだもんね。

あたしなんかより。

ずっと・・・。

あたしは、思い込みをしていたのだろう。

ずっと、勘違いしていたのだろう。

あたしは、誰にも信頼されていない。

誰にも、信じてもらえていない。

誰も信じていない。

そう、誰も。

誰一人として・・・。

信じない。

もう、誰も。

信じても、どうせ裏切られてしまうのならば
初めから、信じなければ傷は浅くてすむだろう。

だから、だからもう

誰もあたしに近づかないで。

やっと、信じて
やっと、仲間だと思えた人が出来た。

けれども、やがて

それは、裏切られて。

でも、また信じて。

裏切られることが分かっていながらも。

でも、あたしは

それでも、あたしは

一人、ううん二人。

信じられるひとがいる。

ヤスくん。

一人目は君だよ。

あと、
一人は・・・ね。

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