君とアタシのkiss☆
美衣菜side

「えぇと、明日の時間割は・・・」

教科書とノートをグシャグシャとかき回した。

「数学~・・・」

あたしは、気が進まないままスクールバックに詰め込んでいた。

明日の授業の英語の教科書をパラパラとめくった。

「I am a ...」

そして、あたしはため息をしながら教科書をベッドに投げ捨てた。

それと同時に、あたしもベッドに寝っ転がった。

携帯をポケットからゴソゴソと探り当てた。

携帯ストラップのピンクのドーナツを指でつんつんと突っついた。

パカッ

あたしは、送る先をないのに携帯を開く。

2~3日送られてきていない受信BOX。

週に3回ほど変わる待ち受け画面。

めったに鳴らない着信音。

あたしは、気がついていた。

目立たない存在から、救ってくれたのは

全部・・・

『ヤスくん』

だった。

いつも、真ん中にいた君。

君があたしを真ん中に連れてきてくれた。

一人ぼっちのあたしを、

仲間のいないあたしを、

みんなの中に入れてくれた。

仲間にしてくれた。

大袈裟かもしれないけど、

勘違いかもしれないけど、

それでも、

それでも、

あたしは嬉しかった。

みんなに話しかけられること。

みんなが笑ってくれること。

ひとりじゃないこと。

ただ、それだけで嬉しかったんだよ。

あたしは。

君に憧れた。

君に惚れた。

君に恋した。

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