君とアタシのkiss☆

チュンチュンチュン....


「・・・んッ」

あたしは眩しい朝の光に目覚めた。

カーテンがヒラヒラと揺れている。

昨日の夜は暑かったから、窓を開けたんだ。

耳元にケータイ電話があるのに気がついた。

手に取り、ホノちゃんのアドレスを探す。

見つかったアドレスを手慣れた手つきで、ボタンを押す。

頭を枕からまだ離さず、ごろごろしていた。

「んん~」

無題にし、本文を入力していく。


“ホノちゃん。
アタシは、まだヤスくんのこと諦めたくないよ”

素直な言葉だった。

嘘なんかない。

リョウジくんが好きだったことは、ない。

と言うと嘘になるけど。

リョウジくんには、ホノちゃんがいるから諦めなきゃなーんて思ったっけ?

でも、今は一途だよ。

君しか、いないよ。

心移りなんてしない。

何年の恋だと思っているの?

あたしには、君しかいない。

ひとりぼっちのあたしには、君しかいないんだよ。

分かってほしい。

あたしは、たった二行のメールを送信した。

返信は、正直待ってはいなかった。

少し、怖かったんだ。

“こんなの同情でしょ?
まだ、心の中で思っているでしょ?”

なんて言われたら言い返せない。

だって、そうでしょう?

あたしの恋は、ヤスくんに一途なのに。

そんなこと言われたら・・・・・。



『ミナの恋は本気で応援してるつもりだよ』

誰だっけ?

そうだ、トモちゃんだ。

体育倉庫で片付けをしているときに、言ってたっけ?

『応援してる』

ありがとう、トモ。

トモの分も頑張るよ。

そう、トモはあたしのためにー・・・・。



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