君とアタシのkiss☆

あたしは、いつの間にか寝ていた。

自分の部屋のベッドで。

涙を流しながら。


「・・・・ん」

あたしは誰かの声で目が覚めた。

誰・・・?

無理矢理に起き上がると、あたしは一階のリビングの方へと歩き出した。


カチャ...


静かに開くと、お母さんが一人でいた。


チラッと目が合ったけど、すぐにそらしてしまう。

あたしは、飲み物を取り出し飲み終わったらすぐに二階へ行ってしまう。

「あら、もう行くの」

時々そう言ってあたしを止めることもある。

あたしは、それになんとなく返事をするようにして

「うん。飲みに来ただけだから」

そう言うとまた、ドアをパタンと閉めた。


ダッダッ...

階段を駆け上がる。

自分の部屋に入り、パタンとドアを閉める。

椅子を前に引き出し、座って机の上にあった楽譜に目を向ける。

たった2枚の紙。

でも、作曲者はその2枚に気持ちがこめられている。

あたしが、発表会で弾く曲。

1枚目しか覚えていない。

正直ピンチなんだ。

来週の土曜日・・・。



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