幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
「わかった…」
……あたしにはこの方法しか思いつかない
「…棗とは別れ………」
「何一人で決めてんの?」
………えっ
後ろを振り替えると、走って来たのか息が荒れている棗がいた
なっ…なんで棗が?!
今日は先に行ったんじゃないの?
紗月ちゃんが手に持っている写真を見て、全て悟ったのか「ふぅ―ん。そう言うこと」と言った棗
「神谷さぁ、いい加減にしたら?」
睨むようにして紗月ちゃんを見た
それに恐怖を感じたのか、後ろに一歩下がった紗月ちゃん
「で、でも棗、このままじゃあの写真、バラまかれちゃうよ!そしたら棗が…」
「花音はあの写真に捕らわれてるってわけか…だったら……」
「えっ!ちょっと!」
紗月ちゃんから写真を奪った棗
「ふっ。それだけ奪っても無駄ですよ♪だって原画は私が持ってるん…」
――バサッ
「「え…っ!」」
奪った写真を投げるようにして棗がバラまいた
宙をヒラヒラと舞いながら、落ちていく写真
「なっ!」
周りの生徒たちは興味津々でその写真を拾い始めた